南国育ちの北国ライフ、雪道を無事に歩く方法と北国の道路事情
私が住んでいる地域は雪深い北国です。
冬になり雪が積もると辺りの景色は一変します。
そんな地元人たちには見慣れた当たり前の風景も、雪に縁遠い地域から来た人には驚くことも多いようです。
昨年、同じ職場で働くことになった女性はもともと南国育ち、進学とともに上京しそのまま東京で就職、結婚後ご主人の異動とともに、はじめて北国にやってきたのでした。
南国育ちの彼女は東京で初めて雪を見たそうで、その雪の量でさえ驚いたと話していました。
そんな彼女が迎えた北国での初めての冬は、とても新鮮で驚きの発見がたくさんあるようです。
そしてそんな彼女の驚き報告に、「なるほど」と思うことも少なくありません。
まず「冬靴」に対しての認識です。
それまで彼女は「冬靴」とはイコール「防寒靴」だと思っていたそうです。
ロングブーツだったり、ボアが付いていたり、です。
もちろん間違えてはいませんが、雪の多い地域で冬靴と言えばそれは、靴底が冬仕様だと言う認識が強いです。
雪の少ない地域が大雪に見舞われた際に、転倒する姿がよくテレビのニュースで流れます。確かに、歩き方も無用心ではありますが、はやり転ぶのは靴が原因だと感じます。
どんなに雪道に慣れた人間であっても、靴が冬仕様でなければ滑ったり転ぶのは避けられないと思うのです。
そんな彼女は、まだ雪の積もる前の初冬、ブラックアイスバーンになった道路で北国の洗礼をはじめて受けたのでした。
彼女曰く「冬用ブーツなのにツルツルに滑って歩けなかった」と職場でこぼしていました。そこで早速、その日のうちに雪国使用のゴツイ靴底の冬靴を買い、そのまま履いて帰ったそうです。
翌日「抜群の安定感ッスよ!」と、とてもご機嫌な彼女でしたが、新しい試練はすぐに訪れました。
彼女の初転びから1ヶ月経たずに、例年よりも早く根雪になりました。
この時期、気をつけなければならないのは、外を歩く時だけではありません。
溝の深い冬靴に付いた雪は建物内に入ると、とても滑るからです。
外から屋内に入った途端に、靴底に付いた雪でツルっといくのです。
その日の朝、彼女は遅刻しそうになったために、地下鉄の階段を急いで駆け下りました。
階段のへりぎりぎりを降りていたため、靴底に付いた雪で滑ってしまい、そのまま気を付けの姿勢、リュージュ選手のような状態で、階段下まで滑り落ちたのでした。(彼女談より)なんとか出勤した彼女でしたが、体中の痛みと頭痛と吐き気を訴え、そのまま早退、病院送りとなったのでした。
診断の結果は打撲と頚椎の損傷、ムチ打ち状態でした。
その他にも、彼女が驚いたのは雪が積もると歩道が「けもの道」のようにに狭くなることでした。
普段は2メートルほどの歩道が、50センチにも満たなくなり、そこを1列にズラズラと歩く姿にちょっと驚いたと言うのです。
更には、そんな雪道を自転車に乗る人々がいることです。
そもそも自転車が平気で歩道を走ることにも驚いていたようですが、こんな狭い雪道で自転車が歩道を走り、歩行者が自転車を通してあげている姿にも、カルチャーショックを受けたそうです。
しかも、バイクタイプの冬タイヤでない自転車、普通のママチャリに乗ったジイさんに「こらぁ、どけっ」と怒鳴られて、慌てて雪の積もった脇に避けたそうです。
横断歩道上に、車が当たり前のように止まり道を塞いで、歩行者が渡れない様子など、彼女曰く「北国はドライバーに対して寛大」なんだそうです。
当たり前と思っていた風景ですが、彼女によって改めて考えさせれる北国の道路事情でした。
職場では大雪の影響からか、雪道で転倒し足を骨折したり、靭帯を損傷したり、手首を骨折したりと、その他にも転倒を堪えた際にぎっくり腰を発症するなど、例年になく怪我人が続出しています。
ムチ打ちになった影響で、現在も整形外科にリハビリ通院中の彼女ですが、北国育ちの人たちが転んで負傷している目の当たりにして、自分が転ぶのも当然と何やら納得した様子です。
今、彼女のお気に入りは、雪が降っているときに傘を差さずに歩くことだそうです。
そうしていると、いかにも北国の人になった気分になるんだそうです。
しかし、本当に恐いのは雪道より、バリバリに凍結した道だということを彼女はまだ知りません。
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